「かぼちゃ」の漢字って書ける? 意外と難しいその読み方と面白い語源のヒミツ
秋の味覚としておなじみで、煮物やスープ、お菓子と大活躍の「かぼちゃ」。普段はひらがなで書くことが多いこの野菜ですが、漢字で書けるかと聞かれると、ちょっと戸惑ってしまう方もいるのではないでしょうか? 実は「かぼちゃ」の漢字は、見た目も読み方もちょっぴり複雑なんです。
今回は、そんな「かぼちゃ」の漢字の読み方や、そのユニークな語源、そして私たちの食卓に届くまでの面白い歴史のヒミツを、紐解いていきましょう!
「かぼちゃ」の漢字は「南瓜」! 読み方は「なんきん」
はい、正解は「南瓜」と書きます。
そして、この「南瓜」という漢字の読み方ですが、実は「かぼちゃ」とは読みません。一般的には「なんきん」と読みます。
「え、そうなの!?」と驚かれた方もいるかもしれませんね。「なんきん」は、現在では「南瓜」の正式な読み方として辞書にも載っています。スーパーなどでも、「なんきん」と書かれている場合があります。
「南瓜(なんきん)」の語源と漢字の由来は?
なぜ「かぼちゃ」と読むひらがなの野菜が、「南瓜」と書いて「なんきん」と読むのでしょうか? その語源と漢字の由来には、かぼちゃが日本に伝わった歴史が深く関係しています。
1. 「南瓜(なんきん)」の由来:南から来たウリ科の植物
「南瓜」の「南」は、「南蛮(なんばん)」や「南方」を意味します。そして「瓜(うり)」は、きゅうりやスイカなど、ウリ科の植物全般を指す漢字です。
つまり、「南瓜(なんきん)」とは、**「南の地方から伝わってきたウリ科の植物」**という意味が込められているんです。
かぼちゃは、もともと中央アメリカが原産。それがヨーロッパに伝わり、16世紀頃にポルトガルから日本へ伝来しました。ポルトガルは日本の「南」に位置し、当時の日本人にとっては「南蛮」の国でした。だから、「南から来たウリ」で「南瓜」という漢字が当てられたんですね。
2. 「かぼちゃ」という呼び名の語源:カンボジアが関係している?
では、私たちが普段使っている「かぼちゃ」という名前は、どこから来たのでしょうか? こちらもまた面白い語源が隠されています。
有力な説とされているのが、かぼちゃが日本に伝えられたルートに関係します。ポルトガル人が日本に持ち込んだかぼちゃは、ポルトガル語で「Cambodia abobora(カンボジア アボボラ)」と呼ばれていたとされます。「アボボラ」はポルトガル語で「かぼちゃ」を意味する言葉ですが、この「カンボジア」という地名が大きく関係していると言われています。
つまり、ポルトガル人が「カンボジアを経由して持ってきた野菜」という意味で「カンボジア」と呼んでいたものが、日本に伝わる過程で「かぼちゃ」と音が変化していった、という説が有力なんです。
諸説ありますが、この説が最も広く受け入れられています。遠い異国の地名が、日本の身近な野菜の名前になったというのは、なんだかロマンがありますよね。
かぼちゃ、日本での呼び名は多様だった!
ちなみに、日本にかぼちゃが伝わった後も、地域によって様々な呼び方がありました。
- 唐茄子(とうなす):中国(唐)から来たナスのような形をした野菜、という意味合い。
- 南京(なんきん):上述の通り「南瓜」の読み方。
- 坊ちゃんかぼちゃ:これは品種名ですが、小型のかぼちゃを指す時に使われますね。
このように、外から来た野菜は、その伝来ルートや形などによって、様々な名前で呼ばれることが多かったようです。
まとめ:かぼちゃの漢字と語源は歴史のロマン!
普段何気なく食べている「かぼちゃ」。漢字で書くと「南瓜(なんきん)」と読み、その語源には、ポルトガルやカンボジアという遠い国の名前が関係していることが分かりました。
たかが野菜の漢字と侮るなかれ、そこには歴史のロマンや、文化が伝わっていく過程の面白さが詰まっています。次に食卓にかぼちゃが上ったら、ぜひその漢字や語源のヒミツを思い出してみてください。きっと、いつものかぼちゃが、ちょっぴり特別な一品に感じられるはずですよ!