「西 九時」って何を指す？日本の昔の時間の数え方と方角のひみつ

「西 九時」という言葉。もしかすると、ある場所を指しているのかもしれませんし、日本の古い時間の数え方に関係があるのかもしれません。言葉の組み合わせって、色々な想像を掻き立てられて面白いですよね。ここでは、「西」と「九時」という言葉から連想される、日本の文化や歴史に触れるお話をご紹介します。

普段私たちが使っている「時間」や「方角」といった言葉にも、古くからの知恵や風習が隠されていることがあります。「西 九時」という響きから、どんな世界が見えてくるのでしょう？ 一緒に探検してみましょう！

現代の「九時」は何時？【午前と午後の9時】

現代の「九時」は、皆さんもご存知の通り、朝の9時と夜の9時（21時）を指しますね。一日を24等分したうちの、特定の時刻を示す言葉です。シンプルで分かりやすいですね。

では、「西 九時」という言葉が、もしこの現代の時間と関係があるとしたら、どんな意味になるでしょうか？ 例えば、西の方角にある場所で9時という意味かもしれませんし、あるいは「西」という言葉が何かの比喩として使われているのかもしれません。

でも、もしかすると「九時」という言葉は、私たちが普段使っている時間の数え方とは違う、もっと古い時代の時間の表し方を指している可能性もあります。

日本の「昔の時間の数え方」を知ろう【不定時法と九つ時】

実は、日本でも昔は、今とは違う時間の数え方をしていました。その一つが「不定時法」（ふていじほう）と呼ばれるものです。これは、日の出と日の入りを基準にして、昼と夜の時間をそれぞれ六等分するという考え方です。

一日を十二の時辰（じしん）に分け、「子、丑、寅、卯…」というように十二支の名前をつけた「十二時辰」（じゅうにじしん）という数え方がありました。そして、それぞれの時辰はさらに四つに分けられ、「一つ、二つ、三つ…九つ」というように数えられました。時刻を知らせるために、お寺などで「時の鐘」を撞いていたのを聞いたことがあるかもしれませんね。鐘を九回撞くと「九つ時」、八回なら「八つ時」というように、鐘の数で時刻を知らせていたのです。

では、この「九つ時」（ここのつどき）は、現代の時間で言うといつ頃になるのでしょうか？ 不定時法では、昼と夜の長さによって時間の区切りが変わるのですが、一般的には「九つ時」は、現代の午前0時頃と正午（お昼の12時）頃、そして日暮れ（夕方）の6時頃と、明け方（朝）の6時頃を指していました。これらの時刻を知らせるために、九つの鐘が撞かれていたのです。

「九時」を知らせる「九つの鐘」【文化と風情】

「九つ時」を知らせる九つの鐘の音には、人々の生活に根差した、様々な意味や風情が込められていました。

• 一日の始まりと終わり: 明け方の九つ時は一日の始まりを、日暮れの九つ時は一日の終わりを告げる合図でした。人々はこの鐘の音を聞いて、仕事に取りかかったり、家路を急いだりしていたのです。
• 時間の区切り: 昼と夜それぞれの九つ時は、一日の大きな区切りを示しました。
• 安全の確認: 夜の九つ時は、戸締まりをして寝る時間、という安全を確認する合図でもありました。

時の鐘の音は、単に時刻を知らせるだけでなく、その時代の暮らしのリズムや、人々の心に通じる、文化的な意味合いを持っていたと言えるでしょう。現代でも、一部地域で「時の鐘」が残されており、昔ながらの風情を感じることができます。

「西」という方角が持つ意味【時間との関連は？】

「西」という方角も、時間の概念と関連付けられることがあります。日本の伝統的な時間の数え方である十二時辰では、それぞれの方角が特定の時刻に対応づけられています。例えば、「酉」（とり）の刻は西の方角に対応しており、現代の時間で言うと夕方の6時頃を指します。

「西 九時」という言葉の「西」がこの方角を指し、「九時」が九つ時を指す場合、直接的に「西の方角にある九つ時」といった意味になるかは文脈によります。もしかすると、「西」という言葉が持つ「沈む夕日」といったイメージや、あるいは単に方角を示す意味で使われているのかもしれません。言葉の組み合わせによって、様々な解釈が生まれるのが面白いですね。

「西九条」など【地名としての「西」と「九」】

また、「西 九時」という言葉は、特定の地名や場所を指している可能性も考えられます。「西九条」（にしきゅうじょう）のように、「西」と「九条」という言葉が組み合わさった地名は日本各地に存在します。これらの地名は、条坊制（じょうぼうせい：古代の都市の区画制度）において、都市を東西南北に区切り、さらに南北の通りを「条」、東西の通りを「坊」と呼んで整理した名残であることが多いです。

もし「西 九時」が地名を指しているとしたら、それはもしかすると、かつて九条通りの西側に位置していた場所を指していたのかもしれませんし、あるいは全く別の由来を持つ地名かもしれません。言葉は、その土地の歴史や文化を映し出している鏡のようなものですね。

言葉の組み合わせから広がる世界【日本語の面白さ】

「西」「九」「時」という、一つ一つの言葉は知っていても、それらが組み合わさることで、現代の時刻だけでなく、日本の古い時間の数え方や、方角、そして地名といった、様々な事柄に繋がっていくのが面白いですね。

私たちが普段何気なく使っている言葉の中には、このように歴史や文化、そして人々の知恵が隠されています。言葉の成り立ちや意味を知ることで、日本語の世界がより豊かに感じられるのではないでしょうか。

おわりに：言葉の奥深さを探検してみよう！

「西 九時」という言葉から始まった、日本の時間や言葉に関する探検。いかがでしたか？ 明確な答えが一つではないからこそ、色々な可能性に思いを馳せることができて面白いですね。

言葉の世界は、知れば知るほど奥深く、新しい発見に満ちています。ぜひこれからも、身の回りの言葉に少しだけ立ち止まって、その面白さを楽しんでみてくださいね。きっと、あなたの毎日がもっと豊かなものになりますよ。