ポルトガルの治安は実際どう? リスボンで旅行者が知っておくべき注意点と防犯対策
ヨーロッパの中でも人気の旅行先として注目を集めるポルトガル。首都リスボンは美しい街並みと温暖な気候で多くの観光客を魅了しています。そんなポルトガル、特にリスボンの治安について、「実際は安全なの?」「どんなことに気をつけたらいいの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
この記事では、ポルトガルの治安状況と、特に旅行者が注意すべき犯罪、そして具体的な防犯対策について詳しく解説します。事前に情報を知って対策を講じることで、安心してポルトガルの旅を楽しむことができるでしょう。
ポルトガル全体の治安状況は?
外務省の海外安全情報では、ポルトガル全土に危険情報は発出されておらず、ヨーロッパの中では比較的治安が良い国とされています。凶悪犯罪の発生率は低く、銃器を使った犯罪も稀です。
しかし、日本と比べると、残念ながらスリやひったくりといった軽犯罪の発生件数は多く、特に観光客を狙った被害が後を絶ちません。近年、観光客の増加に伴い、犯罪件数も微増傾向にあるため、油断は禁物です。
リスボンで注意すべき犯罪と手口
ポルトガルの中でも、特にリスボンやポルトなどの主要観光地では、観光客を狙った軽犯罪が多く発生しています。
1.スリ・ひったくり
リスボンで最も多く報告されているのが、スリやひったくりです。手口は巧妙で、数人組で協力して行われることもあります。
- 人混み・公共交通機関: リスボンの名物である路面電車(特に28番や15番)の車内や、混雑したバス、地下鉄、駅構内、観光名所、市場などで多発します。犯人が後ろから押してきたり、グループで取り囲んで注意をそらす隙に財布やスマートフォンを抜き取る手口が報告されています。
- カフェやレストラン: テーブルの上に置いた荷物(バッグ、スマートフォンなど)を狙われる置き引きも頻繁に発生しています。椅子にかけた上着のポケットから抜き取られるケースもあります。
- 路上での声かけ: 慈善活動の署名を装ったり、道を聞くふりをして近づいてきたり、偽の警官を装って身分証や金銭の提示を求めてきたりする詐欺まがいの手口もあります。親切を装って近づいてくる見知らぬ人には警戒しましょう。
2.車上荒らし・強盗
レンタカーを利用する場合や、人気のない場所では車上荒らしにも注意が必要です。窓を割られたり、ドアをこじ開けられたりして車内の荷物が盗まれる被害があります。
路上での強盗やひったくりは、凶悪犯罪の割合は低いものの、増加傾向にあります。特に夜間の一人歩きや人通りの少ない場所では注意が必要です。
3.タクシー関連のトラブル
正規のタクシーに見せかけた違法タクシーによるぼったくりや、メーターを使わずに高額な料金を請求される被害も報告されています。
4.ATM周辺でのトラブル
ATMでお金を引き出す際に、スキミング被害に遭ったり、背後から狙われたりするケースがあります。
リスボンで特に注意すべきエリア
リスボンは全体的に安全な都市ですが、観光客が多く集まる場所や夜間の繁華街は特に注意が必要です。
- バイシャ地区、アルファマ地区: リスボンの中心部で観光客が非常に多いエリア。スリや置き引きが多発しています。
- バイロ・アルト地区、カイシュ・ド・ソドレ地区、ドカス地区: 夜間、バーやナイトクラブが集まり、若者で賑わうエリアです。酔っ払いによる喧嘩やトラブル、ドラッグ関連の犯罪も報告されています。夜間の一人歩きは避けるようにしましょう。
- 路面電車28番・15番: 観光客が非常に多く利用するため、スリのターゲットになりやすいことで有名です。
- コメルシオ広場・サンタ・アポローニャ駅周辺: 広々とした広場ですが、不審な声かけや物売り、ドラッグの売買なども見られることがあります。
- オリエンテ駅周辺: 現代的な雰囲気の駅ですが、人によっては注意が必要だと感じる場合もあります。
※注意: オライアス(Olaias)地区は、観光地から離れており、一部で犯罪が多いとされるエリアです。特に観光目的で近づく必要はありません。
これで安心!ポルトガル旅行のための防犯対策
せっかくの旅行を安全に楽しむために、以下の防犯対策を心がけましょう。
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貴重品は分散して管理!
- 多額の現金は持ち歩かず、必要最低限に。クレジットカードも複数枚持ち、分散して保管しましょう。
- パスポートや航空券などの重要書類は、ホテルのセーフティボックスに預けるか、コピーを持ち歩き、原本は肌身離さず身につけましょう。
- 財布やスマートフォンは、ズボンの後ろポケットやバッグの外ポケットには入れず、体の前側や内ポケットなど、すぐに手が届かない場所にしまいましょう。
- リュックサックは前に抱える、ショルダーバッグは斜めがけにして、常に口を閉めておく習慣をつけましょう。
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周囲への警戒を怠らない!
- 人混みでは特に注意を払い、不審な人物が近づいてきたら距離を取りましょう。
- スマートフォンを見ながら歩いたり、地図を広げて立ち止まったりする際は、周囲に注意を払う「ながら歩き」は避けましょう。
- カフェやレストランでは、荷物を置いたまま席を離れない、椅子にかけずに膝の上や足元に置くなど、常に目を離さないようにしましょう。
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夜間の行動に注意!
- 夜間の一人歩きは極力避けましょう。特に女性は注意が必要です。
- タクシーを利用する際は、正規のタクシー(TAXIの表示とメーターがあるか確認)を選び、流しのタクシーや白タクは利用しないようにしましょう。
- バーやナイトクラブなどの繁華街では、飲酒によるトラブルに巻き込まれないよう、羽目を外しすぎないように注意しましょう。
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高価なものは身につけない!
- 一目で高価とわかる時計やアクセサリーは、旅行中は身につけない方が安全です。
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旅の情報を共有する!
- 一人旅の場合でも、家族や友人に旅程を伝えておく、ホテルや現地の連絡先を共有しておくなど、万が一に備えましょう。
万が一、被害に遭ってしまったら?
- 冷静に対応する: 犯人と争わず、命の安全を最優先しましょう。
- 警察に届け出る: 被害に遭ったら、速やかに最寄りの警察署(PSP: Polícia de Segurança Pública)に届け出て、被害証明書(Participação de Ocorrência)を発行してもらいましょう。海外旅行保険の請求に必要になります。
- 大使館に連絡する: パスポートを紛失した場合は、在ポルトガル日本国大使館に連絡し、再発行の手続きを取りましょう。
まとめ:賢い旅で、ポルトガルを最大限に楽しもう!
ポルトガルは、素晴らしい歴史と文化、そして美味しい食事が楽しめる魅力的な国です。治安は比較的良好とはいえ、日本とは異なる注意点があることを認識し、基本的な防犯対策をしっかり行うことで、安心して旅行を満喫することができます。
事前に情報を収集し、現地の状況に気を配りながら行動することで、きっと忘れられない素敵なポルトガル旅行になることでしょう!