魔除け・厄除けの花言葉ってあるの?古くから日本で愛される、心強い植物たち
「最近、ちょっとツイてないな…」「なんだか悪いことが続きそう…」そんなとき、皆さんはどうしていますか?実は、古くから日本では、植物の力に「魔除け」や「厄除け」の願いを込めて、暮らしに取り入れてきました。
美しい花々が持つ神秘的な「花言葉」の中にも、私たちを守ってくれるような意味合いが込められているものがあります。今回は、特に日本で親しまれてきた花や植物の中から、魔除け・厄除けにまつわるものや、その伝統的な使い方を、心温まるエピソードと共にご紹介します。
花言葉に願いを込めて!魔除け・厄除けの意味を持つ花々
まずは、花言葉そのものに守りの意味が込められていたり、その姿や性質から魔除け・厄除けの象徴とされてきた花々を見ていきましょう。
ヒイラギ(柊):あなたを守る、保護の象徴
ギザギザとした葉っぱが特徴のヒイラギは、まさに「魔除け」の代名詞とも言える植物です。その鋭いトゲが、悪いものや邪気を寄せ付けないと考えられてきました。
- 花言葉: 「用心深さ」「保護」「先見の明」「あなたを守る」
- 伝統的な使い方:
- 特に「節分」の時期には、焼いたイワシの頭をヒイラギの枝に刺して玄関に飾る「柊鰯(ひいらぎいわし)」の風習があります。鬼が嫌うトゲと匂いで、家の中に邪気が入るのを防ぐと言われています。
- 家の鬼門(北東)や裏鬼門(南西)に植えることで、家全体を守る厄除けの効果があると信じられてきました。
ヒイラギは、見守るような優しさと、悪いものを跳ね返す強さを兼ね備えた、頼れる存在なのです。
ユリ(百合):清らかな力で邪気を祓う
その気高く美しい姿と、清らかな香りで人々を魅了するユリも、邪気を祓う力があるとされています。特に白いユリは、その純粋な色から「浄化」のパワーが強いと考えられてきました。
- 花言葉: 「純粋」「無垢」「威厳」
- 魔除けの理由: ユリの力強い生命力と、空間を清めるような香りが、悪い気を遠ざけると信じられています。お部屋に飾ることで、清らかなエネルギーで満たし、心地よい空間を作り出してくれますよ。
バラ(薔薇):情熱の赤が災いを遠ざける
愛と美の象徴であるバラ。特に情熱的な「赤色」のバラには、古くから生命力や活力の象徴として、魔除けや厄除けの効果があるとされてきました。
- 花言葉: (赤バラ)「愛情」「情熱」
- 魔除けの理由: 赤色は古来より「火」や「血」を連想させ、邪悪なものを遠ざける力があると信じられてきた色です。赤いバラを飾ることで、悪いエネルギーから身を守り、良い運気を呼び込むと言われています。
キク(菊):邪気を祓い、福を招く高貴な花
日本の国花でもある菊は、その高潔な美しさから「邪気を祓う力」を持つとされてきました。古くから「不老長寿」の象徴でもあり、「菊が来ると福が来る」という言葉もあるほど、縁起の良い花です。
- 花言葉: 「高貴」「高潔」「清浄」
- 伝統的な使い方:
- お正月飾りにもよく使われ、新しい年の福を招き、邪気を祓う意味が込められています。
- 菊を飾ることで、家の中に清々しい空気が流れ込み、災いを遠ざけ、幸運をもたらすと信じられています。
古くから伝わる知恵!暮らしに取り入れたい魔除けの植物
花言葉に直接「魔除け」の言葉がなくても、その植物が持つ特別な力や、古くからの言い伝えによって、私たちの生活を守ってくれる存在として親しまれてきた植物もたくさんあります。
フジ(藤):魔を滅ぼす「魔滅(まめ)」の力
優雅に垂れ下がる藤の花は、古くから「魔滅(まめ)」、つまり「魔を滅ぼす」力があると信じられてきました。
- 伝統的な使い方: 藤の香りは幸運をもたらすとも言われており、庭に藤棚を設けることで、家全体が守られるという考えがあります。また、「不死」とも読めることから、長寿や繁栄の願いも込められます。
アジサイ(紫陽花):丸い形に宿る魔除けの力
日本原産のアジサイには、「アジサイを玄関に吊るすと金運が上がる」「魔除けになる」という言い伝えがあります。
- 魔除けの理由: アジサイの丸い形が、昔から魔除けに使われた「薬玉(くすだま)」に似ていることが由来とされています。また、季節の変わり目に咲くことから、邪気を祓い、一年の健康と安全を祈る意味合いも込められています。
モモ(桃):日本の桃太郎伝説にも通じる厄除けの象徴
桃は、日本の昔話「桃太郎」にも登場するように、古くから「魔除け」や「厄除け」の力が強い植物とされてきました。
- 伝統的な使い方:
- ひな祭りには桃の花を飾り、女の子の健やかな成長と厄除けを願います。
- 京都にある晴明神社には「厄除け桃」があり、触れることで厄を落とすと言われています。
桃の生命力と、邪気を払う強い力が、人々の健康と幸せを守ってくれると信じられています。
ナンテン(南天):難を転じて福となす
「難(なん)を転(てん)じて福となす」という語呂合わせから、大変縁起の良い植物として知られるナンテン。
- 伝統的な使い方: 鬼門に植えることで、災難を良い方向へ転換させ、家庭に福を招くとされています。赤い実も美しく、冬の庭を彩ってくれます。
ヒオウギ(檜扇):古来より疫病を払う扇の葉
ヒオウギは、その葉が何枚も重なり扇を広げたように見えることからこの名が付きました。古くから、その扇のような葉で悪霊や疫病を払ったという言い伝えがあります。
- 伝統的な使い方: 京都の祇園祭では、厄除けとしてヒオウギが飾られるなど、日本の伝統文化にも深く根付いた植物です。
ヨモギ(蓬):強い香りで邪気を寄せ付けない
生命力が強く、独特の香りを持つヨモギは、古くから「邪気払いの草」として利用されてきました。アイヌ文化でも、家々の入り口に吊るして悪い神が入ってこないようにするなど、強い霊力を持つ植物として大切にされてきました。
- 伝統的な使い方: 香りの強い植物は、邪気を寄せ付けないと言われています。お風呂に入れたり、お灸に使われたりと、心身を清める意味でも使われてきました。
クロモジ(黒文字):独特の香りが持つ清めの力
和菓子に添えられる高級楊枝としても知られるクロモジは、その独特で清々しい香りが特徴です。この香りには、心を落ち着かせ、空間を清める力があるとされ、古くから魔除けとして用いられてきました。
- 伝統的な使い方: 枝を玄関などに飾ることで、邪気を払い、清らかな気を取り込むと言われています。
ボケ(木瓜):邪気を浄化し、運気を高める
美しい花を咲かせるボケの木も、風水では魔除けや邪気除けの効果があると信じられています。
- 魔除けの理由: ネガティブなエネルギーを浄化し、ポジティブで安定したエネルギーを家庭に呼び込むと言われています。
チガヤ(茅):厄を払う茅の輪の象徴
チガヤの葉は鋭く、その葉で作られた「茅の輪(ちのわ)」をくぐることで、病気や災厄を祓い、無病息災を願う風習があります。
- 伝統的な使い方: 神社の「茅の輪くぐり」は、このチガヤの魔除けの力に由来しています。
魔除けの植物を暮らしに取り入れるコツ
ご紹介した魔除け・厄除けの植物たちは、日々の暮らしに手軽に取り入れることができます。
- 玄関や鬼門に飾る: 邪気の入り口とされる玄関や、鬼門(北東)、裏鬼門(南西)に、ヒイラギやナンテンなどを飾ることで、結界を張り、家を守る効果が期待できます。
- 季節の行事に取り入れる: 節分にヒイラギ鰯を飾ったり、ひな祭りに桃の花を飾ったりと、日本の伝統的な行事に合わせて取り入れることで、よりその意味合いが深まります。
- 切り花や鉢植えで楽しむ: ユリやバラ、菊などは、切り花として花瓶に飾ったり、鉢植えで育てたりすることで、日常的にその力を享受できます。美しい姿は心も癒してくれますよ。
- 香りを活用する: ヨモギやクロモジのように、香りに邪気を祓う力がある植物は、香りの良いお部屋でリラックスするのもおすすめです。
まとめ
魔除けや厄除けは、私たち日本人が古くから大切にしてきた、暮らしを健やかに、穏やかに過ごすための知恵です。花言葉に込められた願いや、植物が持つ力に目を向けることで、日々の生活が少し豊かに、そして心強く感じられるのではないでしょうか。
ぜひ、今回ご紹介した花や植物たちを、皆さんの暮らしに取り入れてみてください。きっと、私たちに寄り添い、そっと見守ってくれる心強い存在となってくれるはずです。