人工授精後の性交渉は「したほうが良い」？ 専門家が教える本当のところ

人工授精（AIH）を経験された方、これから受ける予定の方、そして妊活に取り組んでいる多くのご夫婦が抱える疑問の一つに、「人工授精の後に性交渉はしてもいいの？」「むしろ、したほうが良いって聞いたけど、本当？」というものがありますよね。

この記事では、人工授精後の夫婦生活について、専門家の見解を交えながら分かりやすく解説します。人工授精の成功率を高めるためのヒントや、よくある疑問にもお答えしますので、ぜひ参考にしてください。

人工授精後の性交渉、結論から言うと「してOK」！

結論から言うと、人工授精の後に性交渉をすることは、問題ありません。むしろ、積極的に性交渉を持つことを推奨するクリニックも少なくありません。

なぜなら、人工授精は、あくまで精子を子宮の奥に直接届けるための「お手伝い」であり、自然な妊娠のメカニズムを補うための治療だからです。性交渉を持つことで、人工授精の効果をさらに高める可能性があると考えられています。

なぜ「したほうが良い」と言われるの？ その理由を解説！

人工授精後の性交渉が推奨されるのには、いくつかの理由があります。

1. 射精後の精子の生存期間を延ばす可能性

人工授精では、最も運動性の高い精子を選別して子宮内に注入します。しかし、全ての精子が卵子のもとへたどり着けるわけではありません。

人工授精後に性交渉を持つことで、追加の精子が子宮内に供給されます。これにより、卵管にたどり着く精子の数が増え、妊娠の確率が高まる可能性があると考えられています。また、精液に含まれるプロスタグランジンという成分が子宮の収縮を促し、精子の移動を助けるという説もあります。

2. 卵胞の成熟を促す可能性

性交渉による興奮やオーガズムは、排卵を促すホルモンの分泌に影響を与えると言われています。人工授精は排卵直前のタイミングで行われることが多いですが、性交渉の刺激によって、排卵がよりスムーズに行われる可能性が期待できます。

3. ストレスの軽減

人工授精は、ご夫婦にとって精神的な負担になることも少なくありません。性交渉は、夫婦の絆を深め、お互いを思いやる時間でもあります。治療期間中に夫婦の関係を良好に保つことは、ストレス軽減にもつながり、結果的に良い影響をもたらすと考えられています。

4. 人工授精で出てくる精子を補う

人工授精は、精子を子宮に注入しますが、その一部は膣から流れ出てくることがあります。「人工授精後 出てくる」という現象は決して珍しいことではありません。性交渉を持つことで、この流れ出てしまった精子を補う役割も果たします。

いつまで性交渉をすれば良いの？

人工授精後の性交渉は、いつまで続けるべきなのでしょうか？

一般的には、人工授精を行った日から、排卵日を含めて1〜3日間が最も効果的とされています。ただし、これはあくまで目安です。妊娠の可能性を最大限に高めたいのであれば、人工授精の前から排卵後まで、計画的に性交渉を持つことが理想的です。

クリニックによっては、人工授精後に排卵を促す注射を打つこともあります。その場合は、医師から指示されたタイミングで性交渉を持つようにしましょう。

人工授精後にしてはいけないことは？

人工授精後は、過度な運動や飲酒、喫煙は避けるべきです。また、子宮を圧迫するような激しい腹圧のかかる動作も控えましょう。

シャワーや入浴については、当日から可能です。ただし、長時間の入浴は体温を上げすぎる可能性があるので、ぬるめのお湯に浸かるなど、体を冷やさない程度に留めておきましょう。

まとめ：夫婦で協力して、前向きな妊活を！

人工授精は、決して「ゴール」ではありません。精子と卵子が出会うための「スタートライン」に立つためのものです。

「人工授精後 性交渉したほうが良い」と言われるのは、自然な妊娠のメカニズムを補い、妊娠率を少しでも高めるためのヒントであり、ご夫婦で協力して妊活に取り組むことの大切さを教えてくれているのです。

不安や疑問があるときは、一人で悩まずに、ぜひ担当の医師や看護師さんに相談してみてください。この記事が、皆さんの妊活における前向きな一歩につながれば幸いです。