あなたにぴったりなのはどっち?自筆証書遺言と公正証書遺言を徹底比較!
「遺言書を作ろうと思うけど、自分で書くのと、専門家にお願いするのと、どっちがいいんだろう?」
そう思って、この記事を読んでいるあなたは、とても真剣に将来のことを考えていらっしゃる方ですね。遺言書にはいくつかの種類がありますが、多くの方が検討されるのが「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」です。
この2つは名前が似ていますが、その特徴は全く違います。この記事では、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく比較し、あなたの状況に合った遺言書の選び方についてお伝えします。
遺言書の二大巨頭!「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」
遺言書にはいくつかの種類がありますが、一般的に広く知られているのが以下の2つです。
自筆証書遺言: 遺言者ご自身が、全文、日付、氏名を自筆で書き、押印して作成する遺言書です。
公正証書遺言: 公証役場で、公証人という法律の専門家が遺言者や証人の立ち会いのもと作成する遺言書です。
どちらも法的な効力を持つ遺言書ですが、その作成方法や保管方法、そして費用に大きな違いがあります。さっそく、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
自筆証書遺言のメリット・デメリット
まずは、費用をかけずに手軽に作成できる「自筆証書遺言」から。
メリット
費用がほとんどかからない: 紙とペンがあれば作成できるので、費用はほとんどかかりません。
手軽に作成できる: 思い立ったときに、いつでもどこでも作成できます。
秘密にできる: 遺言書の存在や内容を、誰にも知られることなく作成・保管できます。
デメリット
方式不備で無効になるリスクがある: 全文を自筆で書く必要があるなど、法律で定められた厳格なルールを守らないと、せっかく書いた遺言書が無効になってしまう可能性があります。
紛失・改ざんの危険性: 自宅で保管する場合、火災や紛失、あるいは内容を書き換えられてしまうリスクがあります。
相続手続きが煩雑になる: 遺言者の死後、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要になります。これには時間と手間がかかり、ご家族に負担をかけることになります。
公正証書遺言のメリット・デメリット
次に、安全で確実な「公正証書遺言」を見ていきましょう。
メリット
法的効力が高い: 公証人が関与するため、法的な不備で無効になることはまずありません。遺言能力があったかどうかの争いも起こりにくいです。
紛失・偽造の心配がない: 遺言書の原本は公証役場で厳重に保管されるため、紛失したり、誰かに勝手に書き換えられたりする心配がありません。
相続手続きがスムーズ: 家庭裁判所の検認手続きが不要なので、相続開始後の手続きを迅速に進められます。
デメリット
費用がかかる: 公証人に支払う手数料や、証人への費用(謝礼)が発生します。財産額や内容によって費用は変動します。
作成に手間がかかる: 公証役場へ出向いたり、必要書類を準備したり、証人を2人手配したりと、ある程度の時間と手間がかかります。
秘密にできない: 作成には公証人や証人が立ち会うため、遺言書の内容は秘密にできません。
費用と安全性のバランスがカギ!どっちを選ぶべき?
「結局、どっちを選べばいいの?」という疑問にお答えするために、選び方のポイントをまとめてみました。
自筆証書遺言が向いている人
費用をかけたくない: 遺言書の作成費用を抑えたい方。
手軽にサクッと作りたい: シンプルな内容で、いつでもすぐに作成したい方。
遺言書の存在や内容を秘密にしたい: ご家族に知られることなく、遺言書を準備したい方。
※ただし、自筆証書遺言は方式不備で無効になるリスクがあるため、心配な方は法務局の「自筆証書遺言書保管制度」の利用を検討しましょう。法務局に保管してもらうことで、紛失や偽造のリスクを避け、検認手続きも不要になります。
公正証書遺言が向いている人
何よりも確実性を重視したい: 「せっかく書いたのに無効になったら…」という不安をなくしたい方。
財産の内容が複雑: 不動産や多額の預貯金など、内容が複雑で正確な記載が必要な方。
相続人同士のトラブルを避けたい: 遺言書の効力を巡って、将来ご家族が揉めないようにしたい方。
結論:安心を買うなら公正証書遺言!
遺言書の作成は、ご自身の想いを次の世代にきちんと伝えるための大切な準備です。費用はかかりますが、その後のご家族の安心や、トラブルを未然に防ぐことを考えれば、公正証書遺言を選ぶ方が賢明な選択と言えるでしょう。
自筆証書遺言も、法務局での保管制度が始まったことで、以前より安全性が高まりました。どちらの遺言書を選ぶにしても、ご自身の想いをしっかりと反映させ、ご家族が争うことなくスムーズな相続ができるように、専門家への相談も検討してみてはいかがでしょうか。